サンリブでは1~9m2程の限られた敷地スペースでも、安らぎや憩いを生みだす庭になると考えています。 その小さなスペースの庭は、大きく2種類に分けられます。
Aパターン:最初から庭として計画されたスペース
リビングと和室に囲まれた中庭のように、建築計画時点から想定された庭です。
室内から眺めることを第一に考え、見る方向が2か所以上ある場合はその場所によって違った見方が楽しめるよう工夫する必要があります。また、坪庭を見るときはどんな時か。立つのか、座るのかも重要です。
【写真例】この写真の場所には屋根があり、雨が当たらず夜露もありません。よって植栽は不可。そこで六方石と砂利を使った石庭にしました。壁に囲まれた坪庭なので、3方向からの視線を意識したデザインになっています。
Bパターン:敷地と建物の間で使い方に困る、中途半端なスペース
例えば幅2.5mほどの通路も、少し工夫をすれば園路の庭になります。こちらはデッドスペースの有効活用です。
何気なく目をやる空間を庭にすることで、生活空間が心地よいものになること。また、極力お手入れが少なくなるようデザインすることも重要です。
【写真例】隣家との間にある通路(サービスヤード)の一部です。玄関から見える位置にある幅70cm×奥行60cm程のスペースに、灯籠・シュロ竹・下草で構成した小さな庭空間です。
このAとB、2つのパターンをふまえ、実際の施工例を見てみましょう。
室内から見る坪庭
室内から見る坪庭は、見える位置と窓の大きさで見せ方を変えます。
Aパターン
玄関を開けると正面に見える風景です。夜にはライトアップされ、幻想的な風景がお出迎えします。信楽焼の灯篭と塀のデザインを合わせた事もポイントです。
Aパターン
玄関・リビング・和室の三方から見える坪庭です。砂利で川の流れを表現する伝統的手法を取り入れた、現代風のモダン和風です。
Aパターン
足元の小窓から四季の変化が楽しめ、まるで贅沢な襖絵のようです。
Aパターン
坪庭の奥がガレージなので、障子を開けた時にガレージが気にならない事を第一に計画しました。
何気ないスペースを小さな庭に
Bパターン
ガレージとデッキの間のスペースを、ロックガーデンにしました。車を停車した位置からデッキまで約2.5mあった中途半端な空間が、デッキまでの通路を含み憩いの庭になりました。緑あふれる庭に施主様の描かれた風景画がよく合います。
Bパターン
こちらは奥行き70cm程と、庭としては小さなスペースですが、竹垣のスクリーンと蔦で実際の寸法以上に奥行きを感じられるようになりました。このように背景にも気を配るのが小さな庭の重要課題です。
小さな庭を計画するなら
では実際に小さな庭をつくりたいと考えたとき、どのように相談をすすめるのがよいでしょうか。「A」パターンで想定される条件を基に、サンリブが考えたプランをご覧ください。約3m2程の小さな庭のプランです。
「小さな」とはいっても、庭づくりは経験に裏打ちされた職人技を必要とします。このプランに使われる「御影延石・瓦・砂利」の3種類の材料、これらで表現される長さと面積、微妙な高さが決め手となります。
ちなみに、このプランなら工事費は約60万円です。これは初期プランですので、ここから予算・好みにあわせてお客様との相談がはじまります。もちろん、ご相談中には費用は発生しません。
小さくても大きくても、同じ
お客様のイメージに合わせてデザインすることの重要性、植栽・砂利・自然石などを選定するのにかかる時間などは、広い庭・小さい庭にかかわらず同じです。
かえって小さな庭の場合には、10cm単位の微妙な寸法の調整が全体の美観を左右するため、広い庭よりも神経をつかいます。
特に設備(給排水管・会所マス)は小さいだけに苦労し、特別に費用がかかる場合もあります。
サンリブは「小さな庭」を部屋に飾る風景画の様に、見る人の心を豊かにする創作活動と考えています。
造園の工事は施主のイメージをもとにデザイン・構図・材料などを全て任されることがほとんどです。上記の写真例も、そのような現場でプランナー達が時間をかけ、創意工夫を凝らし、協力してきた作品です。
小さな庭だからこそ、こだわりの小物がよく映えます。