庭にかかわる読み物いろいろ
大塚紀雄の庭コラム
第8回 外構庭の目隠しについて《2》
前回に引き続き、同じ敷地条件で目隠しの例を見て行きます。
【プラン4】
これまでに紹介した例と違い、道路境界に塀を建て敷地を最大限有効に使った、アプローチ(前庭)と、リビング前の主庭という構成です。 門塀も含めて、塀の位置がバランスよく配置され、塀の素材も工夫されています。室内からの目隠しは、塀の前に樹木を配置することで圧迫感を無くしています。 次のプラン5の例では、ガレージと通路を並行にしてみました。
【プラン5】
目隠し塀が一直線になっています。ここに、角柱建てのスリットを入れて単調さと圧迫感を緩和しました。最近はいろいろな素材を用いた柱建てのエクステリアがありますが、これも全体のバランスが大切です。ここでは、スリットが内と外をつなぎ、またガレージ側の土間の一部を化粧することでアクセントにもなっています。 あるプランナーの設計を基に以上4つの例を説明してきましたが、ここまで熱心におつきあいしていただいた方はもう気がついた事でしょう。 「目隠し」とは、全体のレイアウトを考えて合う素材を選び、単調さ・圧迫感を和らげることで、プライベート空間と機能とデザインの統一を図ることです。 最後にその説明をしたのが下の図面です。
今までの要約です。このノウハウを知っていただければ、外構・庭をこれから計画される方・お悩みの方、もエクステリア業者の設計図が正しくチェックでき、いいエクステリアが実現できると思います。
【A】隣地境界の塀 アプローチ、庭の雰囲気を活かすための囲い
【B】道路側 門 塀 家の顔であり、住む人の個性を表現された囲い
【C】ガレージとの境 機能を分ける、庭の背景をつくる
【D】庭、アプローチなどにつくる目隠しの囲い 庭の大きなポイント。位置の高さ、長さ、素材により、塀に囲まれた空間全体がひきしまり空間に安定感が増す。
以上のポイントをつかんで頂ければ、目隠しを活かした外構、庭のエクステリアはきっといいものができるでしょう。
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